ドラム缶工業会

よくあるご質問

ドラム缶工業会への「よくあるご質問」につきまして、その標準的な回答を記載いたします。
ここに記載しました事例以外のご質問のある方は、「お問い合わせ」のフォームにご記入の上、ドラム缶工業会へ送信をお願い致します。

ドラム缶・ペール缶の購入について

ドラム缶(あるいはペール缶)を購入したいので斡旋をして下さい(あるいは、会社を教えて下さい)。

ドラム缶工業会はドラム缶(あるいはペール缶)の斡旋や販売は行っておりません。また、特定の会社の紹介も出来ません。購入を希望される方は、「ドラム缶工業会の会員会社ホームページ」をご参照下さい。

ドラム缶・ペール缶の取り扱い保管方法などについて

空缶あるいは充填後のドラム缶の保管上の注意事項について教えて下さい。

内容物により保管方法が変わりますが、一般的な注意事項を記載します。詳細は「オープンヘッドドラムの取扱上の注意」「タイトヘッドドラムの取扱上の注意」をご参照下さい。

  • 空缶のドラム缶は必ず屋内保管してください。屋内保管でも保管状況により錆が発生する事もありますので、納入後、1カ月以内(タイトヘッドドラム)あるいは1週間以内(オープンヘッドドラム)のご使用をお願いします。
  • 充填後のドラム缶も必ず屋内保管してください。屋外に保管した場合、天蓋ガスケット部あるいは口金からから雨水を吸収する恐れがあります。
  • オープンヘッドドラムの俵積(横積)はお止め下さい。胴体の変形により内容物が漏洩します。タイトヘッドドラムを俵積(横積)で保管する場合は適切な転がり止めを使用して下さい。

空缶あるいは充填後のペール缶の保管上の注意事項について教えて下さい。

内容物により保管方法が変わりますが、一般的な注意事項を記載します。詳細は「鋼製ペールの取扱上の注意」をご参照下さい。

  • 空缶は必ず屋内に保管し、出来るだけ早期にご使用ください。
  • ラグタイプの場合、ラグ天板の変形にご注意ください。
  • 充填量は内容物に応じた適切な空隙を確保するようにご注意ください。
  • 天板や口金キャップは漏洩を防ぐため正しくセットし締めつけて下さい。
  • 内容物を充填したペール缶は、必ず屋内に保管して下さい。屋外で保管すると雨水が口金から侵入する、発錆などの恐れがあります。

オープンヘッドドラムを縦積みした場合の問題は?

オープンヘッドドラムの縦積みで最も問題となるのは、缶体の変形では無くではなく、天板ガスケットの圧縮変形と考えます。直に積む場合は、パレット積みよりも天板に偏荷重がかかりやすいと思われ、天板からの漏れのリスクは高まりますので、パレット積みを推奨します。

タイトヘッドドラムを縦積みした場合の問題は?

危険物の場合は消防法の条例により3mを超える縦積みは出来ません。200Lドラム缶は、積み重ね試験(詳細は下記をご参照)を行い、高さ3m(即ち、縦に3段積み)まで積んでも、漏れが無い事などを缶体の性能仕様としております。しかし、直の縦積みは不安定ですので、縦積みする場合はパレット積みを推奨します。

合格判定基準
漏れがあってはならない。
輸送の安全性に悪影響を及ぼすおそれがある変質,又は容器の強度を弱めたり若しくは積重ねの安全性を損なうおそれがある変形があってはならない。

オープンヘッドドラムは、何キログラムまで物を入れる事ができますか(あるいは、重量の制限はありますか)?

内容物が危険物の場合「危険物に関する国連勧告」に最大正味質量400㎏の規程がありますので、この数値を目途にご使用下さい。

ドラム缶はどの程度までの外圧に耐えられますか?

ドラム缶は外圧がかかることを想定していないので、外圧には強くありません。無理な外圧をかける事は避けて下さい。

ドラム缶はどの程度までの内圧に耐えられますか?

ドラム缶は圧力容器ではありません。従い常用200kPa以上の高圧容器としては使用できません(労働安全衛生法の高圧容器規制)。
(ご参考) ドラム缶はJIS(あるいはUN)に定められた水圧試験を行っています。容器の危険等級により試験条件が異なりますが、適用圧力100kPa~250kPaの水圧を5分間保持して漏れの無い事を合格基準としています。
下記に水圧試験の一例を示します。

  • 1.2mmの板厚のドラム缶に、300kPa(3気圧)の水圧を掛けた時の天板の膨れ具合です。この状態でも水漏れは発生していません。
  • 一般的には、水圧が90kPa(0.9気圧)前後から天地板の変形が始まります。
  • 従って、少々の天地板の変形であれば、容器としての性能に支障はありませんが、天地板が膨れた場合にはドラム缶の縦段積みが出来なくなりますので、ご注意下さい。
充填後のドラム缶の安全なハンドリング方法について教えて下さい。

ドラムポーター(オーソドックス型)、ドラムボルバーなどのハンドリング治具を推奨しております。詳細は「ダブルウェーブビードならびにコルゲートを付与する鋼製タイトヘッドドラム(薄手化対応品)とハンドリング」をご参照下さい。

ドラム缶、ペール缶の耐火性について教えて下さい。

耐火性能云々よりも、収納される内容物が危険物かどうかにより、法律で規定する容器を使用する必要があります。 収納される内容物が非危険物であれば、法的にはどの容器を使用されても問題がありません。
(参考:危険物を輸送する場合の規程)

  • 国内の陸上輸送:消防法で定める性能試験に合格するか(KHKマーク)、ドラム缶工業会で定める自主基準の性能試験に合格する(JSDAマーク)ことが必要となります。
  • 輸出の海上輸送:国土交通省(同省の認定機関である日本舶用品検定協会(HK)が検査業務を実施)で定める性能試験に合格する(UNマーク) ことが必要となります。

ドラム缶の表面に錆が発生した場合、錆落しをしても大丈夫でしょうか?

ドラム缶胴板の厚みは一般的に1~1.2mmですので、さびの程度によりますが、胴板の強度が弱くなるので詰め替えを推奨します。

ドラム缶の内面は防錆処理を行っているのでしょうか?

ドラム缶の内面には、塗装下地形成を主目的として、化成処理被膜(りん酸亜鉛とりん酸鉄)を行っています。これは短時間の一次防錆効果はありますが、耐錆性を目的としたものではありません。従い、防錆を目的とする場合は、複合ドラム(ポリエチレン製内容器を使用)か、ステンレスドラムの使用を推奨します。

ドラム缶に引火性の液体を注入する場合の静電対策について教えて下さい。

ドラム缶にアースを取ることを推奨いたします。

ドラム缶・ペール缶の規格について

JISに色々なドラムタイプの記載があるが、相違は何でしょうか?

オープンヘッドドラム(JIS Z 1600)ではドラムタイプA~Dがありますが、日本で生産しているのは主にタイプDだけです。また、タイトヘッドドラム(JIS Z 1601)ではドラムタイプA~Cがありますが、日本で生産しているのは主にタイプCだけです。他のタイプのドラムは欧米で製造されている規格で、ドラム缶に関するISO規格をJISに取り込んだ際に追加されたものであり、参考と考えて下さい。

200Lドラム缶以外の容量のJIS規格はありますか?

JISで定めているのは200Lのドラム缶のみであり、それ以外の容量の規格はありません。

ドラム缶の口金のサイズは決まっているのでしょうか?

JISでは大栓(注入口)が2インチ、小栓(空気口)が3/4インチで決まっております。詳細はJIS Z 1604(鋼製ドラム用口金)をご参照下さい。

UN(国連)規格以外に危険物の容器に関する国際的な規格はあるのでしょうか?

ありません。危険物容器に関する国際規格はUN(国連)規格だけです。詳細はUNの「危険物輸送に関する勧告」(通称、オレンジブック)をご参照下さい。

ペール缶の規格、種類について教えて下さい。

ペール缶の規格は JIS Z 1620に定められています。種類は天板取外し式ラグタイプ、天板取外し式バンドタイプ、天板固着式の3種類があります。ペール缶の特長、種類につきましては「鋼製ペール特長」「鋼製ペールの種類」をご参照下さい。

その他

一度使用したドラム缶は再使用可能なのでしょうか?

一般的にドラム缶は4~5回 再使用(リユース)しております。使用したドラム缶の洗浄などは、更生専門の会社がおこなっています。再使用率などにつきましては「3Rの優等生」をご参照下さい。