ドラム缶工業会

環境にやさしい標準色14色

ドラム缶工業会選定の標準色14色

ドラム缶の外面塗装用の塗料は、お客様からの見映えなど塗装効果の高いものを要請されることから、塗料の種類が多くなり多色化の傾向になっていました。このため、塗料の削減が難しく、また作業性も低くなり問題視されておりました。
このため、工業会では早くから外面塗装色を標準的なものへの集約化を推進しており、1968年に外面塗装用塗料として標準色10色を選定しました。
しかし、その後、石油業界の活況からドラム缶は旺盛な需要を呈しましたが、塗料の不足も目立つようになり、選定した標準色の入手も困難な状況となりました。この対応策として工業会では、入手可能でかつ作業性の良いものを選択し、1973年に新たに14色を選定し標準色とし急迫する塗料事情に対処しました。
その後、この標準色14色は、次に記載します重金属フリー化やVOC削減のために一部を近似色に変更しておりますが、現在でも引き続き使用されております。
なお、日本ドラム缶更生工業会も、同時に標準色14色の採用を決めており、国内で生産される鋼製ドラム缶は、ドラム缶工業会が選定した14の標準色の塗料であれば、ドラムメーカー缶でしきそう色調差のほとんどないドラム缶のご提供が可能となりますので、地球環境の負荷を少しでも軽減するためにも14色を優先的にご採用いただきたいと存じます。

ドラム缶工業会選定の標準色14色

このホームページで表示している色は近似色で、正確な色ではありません。推奨色のご採用にあたりましては、ドラムメーカー提示の標準カラーサンプルをご参照ください。
なお、この「ドラム缶標準カラーサンプル“14”」は、厚紙に水性インクで着色したカラーサンプルとしたため、ドラムのメーカー間(同一メーカー工場間でも)微妙に色調が異なる結果となり、お客様にご迷惑をおかけいたしました。その反省から、現在は表面処理鋼板をベースにした重金属フリー標準カラーサンプルを設定して、上述の紙製サンプルと併用して運用しています。

重金属フリーの標準色14色

現在、ドラム缶をご使用の多くのお客様は包装資材の購入基準として、水銀、六価クロム、カドミウム及び鉛の4つの有害重金属を意図的使用禁止物質に挙げられています。それらの有害重金属のうち、昔から塗料の無機顔料として使用されてきた六価クロムと鉛をドラム用塗料の成分からいち早く排除し、以下の対応を経て、ドラム缶工業会が選定した14色を重金属フリーの推奨塗料として、お客様に提供しています。
現在日本では塗料に 関する有害重金属使用の規制はありません。しかし、ドラム缶工業会と日本ドラム缶更生工業会では、塗料メーカーの協力をえて十数年前から、有害重金属使用の規制を先取りする形で、ドラム缶工業会が選定した14色のドラム缶の外面用塗料を、有害重金属が含まれない塗料 (重金属フリー塗料)にする研究を進めてきました。
この結果 、2000年10月に六価クロムと鉛を含有していたレッド、クリーム、イエロー、ライトグ リーン、グリーン、ライトレッドの6色について、完全重金属フリーの塗料を選定し、色見本帳である「ドラム缶標準カラーサン プル“14”」を作成しました。これにより改定された外面用塗料によって、ドラム缶はさらに「環境に優しく」なりました。 (レッド、ライトレッド、イエローの3色はそれぞれワインレッド、パーシモン、エコイエローと名称を変更し、従来色相の近似色としています。)
これらの標準色を採用することによって、海上輸送による輸出されるドラム缶は危険物対応容器であれば、UNマークを表示したエコドラム缶として、米国州法やEU指令による包装材の重金属規制に適合しています。

標準色14色によるVOC削減

標準色14色の設定以後、塗料の種類が減ったことにより外装塗装作業における作業効率が向上しました。このことが溶剤使用量の削減につながり、VOC(揮発性有機化合物=Volatile Organic Compounds)の低減に大きく貢献しております。
2015年にさらなるVOC低減の為に、標準色14色のうち2色(ワインレッドとクリーム)の見直しを行いました。この2色は均一な外観を得るために、他の12色に比べて塗料を厚く塗る必要がありました。このため工業会では塗料会社各社と協力して、色調を若干変更した近似新色で、他の塗料と同程度の膜厚で均一な外観が得られる塗料を開発しました。これによりVOC発生量を減らすことができます。
工業会のVOC削減に向けた取り組みの詳細は「VOC削減に向けたドラム缶工業会の取り組み(PDF)」をご参照下さい。

VOC削減自主行動計画

VOC排出抑制を図るために、大気汚染防止法の一部を改正する法律に基づいて、規制対象施設の種類と規模を定める法律が2005年6月に施行されました。工業会各社においては、政令の対象となる事業所はありませんでしたが、工業会としての自主的な取り組みによりVOCの低減を事業活動の一環として推進していくことになりました。法令に定める通り2000年度を基準年として2010年度までに、ほぼ全てのVOC抑制手法(例:外装塗装設備の改善、塗装装置更新、塗料の改良、洗浄用溶剤の削減、等)を取り入れることにより、基準年度比較約10%の削減を達成しております(下記の表をご参照下さい)。 工業会の自主行動計画の詳細は「VOC削減自主行動計画(PDF)」をご参照下さい。