ドラム缶工業会

ドラム缶用語集 五十音

用語 解説
ばり
Flash, Burr
溶接作業でアークまたはガス溶接、あるいはろう付け溶接などでクレータ(Crater)付近から爆発的に飛散するスラグ(Slag)や溶滴(droplet)、あるいは、その両方の混合物を総称して、スパッタ(Spatte)という。これが溶接面に付着する状況を通常ばりと呼ぶ。 また別にプラスチックなど成形時において金型の合せ面の間げきから余分の形成材料が飛びだして固化する現象も、一般にばりと呼ばれている。 同様にプレスの打抜き加工時に発生する穴のかえり、刃先のだれによるかえり、凹部のかえり、絞り成形部品の内側へのかえりなども俗にばりと表現される。
薄鋼板
Sheet
熱間圧延または冷間圧延した厚さ3mm未満の鋼板で、これにメッキや他の二次加工を施していないものの総称。 3mm以上6mm未満の鋼板を中板、6mm以上を厚板というのに対して薄板という。
バンド(ボルト式及びレバー式)
Closing ring (Bolt type & Lever type)
ガスケット付天ぶたと胴とを密着固定させるために、断面がU型(又はV型)の鋼製バンドで締め付ける。 バンドの固定方法にはボルト式とレバー式とがあり、ボルト式はバンド金具にボルトを通してナットで締付けて固定する。 レバー式はバンドの金具をテコを利用した締付けにて固定する。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律 Law on Waste Disposal & Ceaning
廃棄物の定義、国民、事業者、国、地方自治体の責務、産業廃棄物の処理等について定める。 産業廃棄物は事業活動に伴って生じた廃棄物の内「もえがら、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ廃プラスチック類、その他政令で定める廃棄物」とされ、それ以外は一般廃棄物である。 工場にて発生した産業廃棄物はマニフェスト制度に基づき適正な処理を行わなければならない。 (許可を持った収集運搬業者、最終処分業者への委託処理、マニフェスト帳票の管理等)

用語 解説
表示
Marking
表示
表面処理
Surface treatment
鋼板の表面に付着する油等を脱脂液で洗浄し、次に化成液にて鋼板の表面に被膜を形成させ、次工程の塗装の下地として鋼板と塗膜の密着性を高めると共に、塗膜下の防錆性を高める役割を果たす。 方法はシャワー式とディッピング式とがあるが、ドラム缶製造工程に供されるものはシャワー式がほとんどである。 化成処理種類としては昨今脱隣が話題となっているが、現状ドラム缶の処理に関しては燐酸亜鉛、燐酸鉄処理の何れかである。
≪工程の一例≫
 脱脂→水洗→化成→水洗→乾燥
被膜強度 Film strength 一般的にペール缶では金属印刷、または塗装において折り曲げ、絞り等に耐える強度のこと。

用語 解説
ファイバードラム
Fiber drum
クラフト紙を巻き合わせた紙板を素材に使用したドラム缶。
複合容器(又は、内容器)
Composite packaging(or Inner receptable)
鋼製ドラム等のうちドラムに直接内容物を収納せず、ポリエチレン又はプラスチック容器等の内容器を外装容器としてのドラムに挿入し、その中に内容物を収納するもの(複合容器と言い、一般的にはケミドラムと称する)。 外装容器としての鋼製ドラムは、あくまでも内装容器の保護を目的とするものである。
プラグ回し用つめ
Pawl for plug rotation
プラグの表の凹部に付いている突起または成形物で、プラグを脱着するときにそれにレンチを用いて回転させるもの。
フランジヤー
Flanger
ドラム缶の胴成形加工の1工程で、シーム溶接後円筒形胴体の両端又は片方にフランジ(張り出し縁)を成形する機械。
プレス
Press
金型を押して板金に穴あけ、曲げ、絞り、模様つけ等、金型通りに加工する機械。 C形フレーム、門形フレーム、シングルクランク、ダブルクランク等の種類がある。
付着性(密着性)
Adhesive property or Adhesiveness or Adhesive strength
ドラムの塗装は内・外面をとわず、衝撃、摩擦、など外部からの動的刺激が加わることが非常に大きく、かつ、野外に放置されることが多いため特に錆の心配があるので、十分塗膜で鋼材を保護し、はく離を起こさないような状態に保たなければならない。 そのため一般には、衝撃試験、引っかき試験、基盤試験を行ない、塗膜が下地面(鋼材)に付着して離れにくい性能を保持させるようにしている。
物理的性状
Physical property
収納物が固体のときは形状・大きさの分布・嵩比重等、液体のときは粘度・比重等をいう。 缶に収納して落下試験をしたとき、運搬される物質と同じ効果を得るために必要な物理的性質のこと。
ぶりき板
Tin plate sheet
焼鈍・調質圧延された冷延コイルにすずめっきを施したものをぶりき板という。 ぶりき板は、電気すずめっき処理した電気めっきぶりき板である。 JIS規格としてはJIS G 3303に該当する。
フェノール樹脂系塗料
Phenolic resin
熱硬化性のフェノール樹脂を使用した塗料。 塗膜の透過性が小さいという特徴をもっており、有機溶剤を含む物質や弱酸性の物質に耐性が強い。しかし焼付けると可撓性が劣るため、可撓性のある樹脂(例:エポキシ樹脂)を加えた塗料が用いられている。 (おもな特徴:低浸透性・耐弱酸性・熱硬化性・耐溶解性)
覆輪
Chime reinforcement
ドラムの胴に天板および地板を巻き締めた部分をチャイム(CHIME:ビヤ樽などの出縁のこと)というが、この部分を補強あるいは変形しないよう保護するためにU形断面のリングを被せロールによって巻き締めながら取り付ける部品。溶接によって取り付けることもある。 慣用語としてチャイムリング(CHIME RING)と呼ぶこともある。またアメリカなどではレインフォースメント(REINFORCEMENT:補強材)と呼んでいる。

用語 解説
ホットエアレス塗装
Hot airless spray coating
塗料を直接加圧して送り出すことで、アシストエアーを使わずに塗料を噴霧するシステム。 回路の途中にヒーターを設け塗料温度を上げることで、噴霧による圧力開放に伴う塗料温度の低下によるダレを起こし難くしている。