ドラム缶工業会

ドラム缶用語集 ドラム缶部位

内面塗装

用語 解説
塗装 Coating ドラム缶の塗装に求められるものは外装美観のほか、充填した内容物への耐性、長期貯蔵容器としての耐候性などである。 外面塗装は主にアミノアルキッド樹脂(メラミン樹脂)塗料が用いられ焼き付けにて塗装されている。 内面塗装には充填する内容物に合った耐薬品性が求められており、主にエポキシ樹脂系またはフェノール樹脂系の塗料を用い焼付けにて塗装されている。
エアレスポンプ
Airless pump
エアー駆動のピストンにて塗料を加圧し回路内に圧送するポンプ。
ホットエアレス塗装
Hot airless spray coating
塗料を直接加圧して送り出すことで、アシストエアーを使わずに塗料を噴霧するシステム。 回路の途中にヒーターを設け塗料温度を上げることで、噴霧による圧力開放に伴う塗料温度の低下によるダレを起こし難くしている。
熱硬化性
Thermosetting property
塗膜の形成の仕方としては二種ある。 一つは塗装後に加熱等により樹脂間の架橋反応が起り高分子化するものである。乾燥後は溶剤に対し耐性を持つ。加熱により架橋するものを熱硬化性という。 もう一つは単純に溶剤の揮発により塗膜形成するもので耐溶剤性はない。
付着性(密着性)
Adhesive property or Adhesiveness or Adhesive strength
ドラムの塗装は内・外面をとわず、衝撃、摩擦、など外部からの動的刺激が加わることが非常に大きく、かつ、野外に放置されることが多いため特に錆の心配があるので、十分塗膜で鋼材を保護し、はく離を起こさないような状態に保たなければならない。 そのため一般には、衝撃試験、引っかき試験、基盤試験を行ない、塗膜が下地面(鋼材)に付着して離れにくい性能を保持させるようにしている。
膜厚計
Thicknessmeter
金属・非金属の表面に施された皮膜(塗膜等)の厚さを計測する機器。電磁式、渦電流式、超音波式などがある。
エポキシ樹脂系塗料(1)
Epoxy resin
エポキシ樹脂を塗膜主要素とする塗料。 特に耐アルカリ性にすぐれ、耐酸性、耐溶剤性、耐水性もよい。 またフェノール樹脂に比し、塗膜密着性、可撓性がよい。
エポキシ樹脂系塗料(2)
Epoxy resin
おもに高温焼付けタイプの塗料に多く用いられている。 密着性が良く、硬化すると耐薬品性・耐水性・可撓性(タワミやシナリに対する強さ)に優れるため、内面塗装として最も多く使用されている。 (おもな特徴:耐弱アルカリ性・熱硬化性・耐溶解性・密着性・可撓性)
フェノール樹脂系塗料
Phenolic resin
熱硬化性のフェノール樹脂を使用した塗料。 塗膜の透過性が小さいという特徴をもっており、有機溶剤を含む物質や弱酸性の物質に耐性が強い。しかし焼付けると可撓性が劣るため、可撓性のある樹脂(例:エポキシ樹脂)を加えた塗料が用いられている。 (おもな特徴:低浸透性・耐弱酸性・熱硬化性・耐溶解性)
内面塗料
Internal coating
ドラムには千差万別な物質が入れられ、輸送、貯蔵するためには欠くことのできない容器として幅広く利用されているが、現在では、新しい化学物質、放射性物質、または腐蝕性、浸透性、の強い物質などが充てんされることが多いため、その内容物に耐えられる合成樹脂系塗料、例えば、エポキシ系、フェノール系、ビニール系などの塗装をドラム内面に施す(Coating)ことにより、内容液におかされない内面(抵抗性)物性をあたえる目的で用いられる塗料をいう。