ドラム缶メーカーによって生産されたドラム新缶はドラム缶の ユーザーである石油会社、化学会社、塗料会社などに配達されます。これらの会社でドラム缶 に石油製品や化学製品、塗料などの 内容物が充填された後、これらの内容物のユーザーに運ばれ、内容物が使用されて空缶になり、ドラム缶は1回目の使用を終えます。
 ほとんどのドラム缶は鋼板(鉄板)で造られています。このため丈夫なので、いったん使用された後もその約56%はユーザーから ドラム缶更生メーカーによって回収され、内部を洗浄した上で新しく表面塗装などを行い、(これを「更生処理」といいます)再び新缶と同様にユーザーに配達されます。このような更生処理を経て通常は1個のドラム缶が4〜5回も使用されます。特に鋼板製 の使用済み200リッタードラムはドラム缶更生メーカー、ドラム缶ユーザーなどによって使用―更生処理―再使用のシステムが構築されています。つまりリユース(再利用)のサイクルが確立されています。
  日本では、現在(平成14年度)約1359万本の新缶が生産されますが、この他にこのような更生処理を経た缶 (これを「更生缶」 といいます)が年間約1286万本生産されています。
  4〜5回使用されたドラム缶は、その後はスクラップ処理に回され「鉄源」として鉄鋼メーカーに運ばれ、新たに「鉄」として再 生します。これがリサイクルです。



 地球の自然環境を保護し、限りある資源を有効に活用するため、現在では世界中の人々に環境保全と資源のリユースやリサイクル
が求められています。
  これに関する法整備も進んでいます。我が国でも、1997年に「容器包装リサイクル法」が施行されたのを始め、2000年6月には 「循環型社会形成推進法(環境基本法)」が公布されました。また、2001年4月には資源再利用による省資源化、廃棄物の発生抑制 に重点を置く「資源有効利用促進法(環境基本法に一部)」も施行されました。
 ドラム缶の使用とそのリユースとリサイクルはこれらの動きを先取りした形でもあり、この点を評価され、鋼製ドラム缶はこれらの 法規制の適用対象外となっております。



 ドラム缶の製造工程では、プレス機、溶接機、乾燥炉、塗装機などさまざまな機械・設備が使用されています。ドラム缶 メーカー各社は早くから製造工程における環境保全の問題にも取り組み、環境基本法(後の環境型社会形成推進法)や、大気汚染防止法、水質汚濁防止法、騒音規制法、悪臭防止法などの基準や規制をクリアして来ました。



 色鮮やかな塗料には特定有害物質である鉛やクロムなどの有害な重金属が含まれている場合がありますが、現在日本では塗料に 関する重金属に関する規制はありません。しかし、ドラム缶工業会と日本ドラム缶更生工業会では塗料メーカーの協力をえて数年 前から重金属規制の法整備を先取りする形でドラム缶の外に塗る塗料(外装塗料)を、すべての塗料を重金属が含まれない塗料 (重金属フリー塗料)にする研究を進めてきました。この結果 、2000年10月に問題となるレッド、クリーム、イエロー、ライトグ リーン、グリーン、ライトレッドの6色について完全重金属フリーの塗料を選定し、色見本帳である「ドラム缶標準カラーサン プル(14色)」を作成しました。これにより改定された外装塗料によって、ドラム缶はさらに「環境に優しく」なりました。 (レッド、ライトレッド、イエローの3色はそれぞれワインレッド、パーシモン、エコイエローと名称を変更し、近似色としています。)



 ドラム缶工業会ではこの度、従来の「ドラム缶選定色見本帳」を改定し、新たに「ドラム缶標準カラーサンプル“14”」を作成いたしました。従来の標準色の一部には鉛などの重金属が含まれておりましたが、今回の改定は、重金属規制の法整備を先取りする形で、当工業会と関係塗料メーカーが数年前より検討を重ね開発に漕ぎ着けた、近似の新色を含む完全重金属フリー塗料のラインナップです。

 完全に重金属フリー化するためにはコストアップが伴いますが、リサイクルの優等生であるドラム缶 をさらに環境にやさしい容器とするために、工業会として完全重金属フリーの新標準色を設定したものです。

 今回の改定の内容は、以下の通りです。カラーサンプル見る

従来名称 改定名称 コメント
DM-4(レッド)145 DM-4E(ワインレッド)142 近似新色にて重金属フリー化
DM-7(イエロー)308 DM-7E(エコイエロー)-

DM-12(ライトレッド)134

DM-12E(パーシモン)260

DM-6(クリーム)342 DM-6E(クリーム)342 従来の色で重金属フリー化
DM-8(ライトグリーン)442 DM-8E(ライトグリーン)442
DM-9(グリーン)505 DM-9E(グリーン)505
その他8色 改定なし 従来より重金属含有なし
(注) 今回の重金属フリー化した上記6色には従来の色と区別するため、指定カラー番号の後にエコを表す“E”を付けました。



なお、日本ドラム缶更生工業会も、同時に新標準色14色の採用を決めており、国内で生産される鋼製ドラム缶全ての重金属フリーが可能な体制が整ったことになります。

両工業会では、「ドラム缶標準カラーサンプル“14”」を順次需要家に配布し、新標準色の採用を働きかけると同時に、リユース(再使用)率の高い鋼製ドラム缶 がいかに環境にやさしいかを訴えかけていきたいと考えております。



 このようにドラム缶 業界は他の業界に先駆けて環境保全に取り組んで来ました。その成果 はリユースやリサイクルの他にも、危険物や有害廃棄物の運搬・保管工程における漏洩対策、さらに製造工程における公害対策など、さまざまな面 に現れており、今やドラム缶は環境の優等生となっています。
  しかし、まだ、残滓物や回収ネットワークなどに問題がないわけではありません。私たちドラム缶 関係者はその解決を社会的な問題としてとらえ、100%リサイクルシステムの確立に向けて引き続き努力していきます。

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